徐脈性不整脈:洞不全症候群
徐脈性不整脈には、洞不全症候群(または洞機能不全症候群)と房室ブロックがあります。
洞不全症候群の原因は、自前のペースメーカーである洞結節の働きの異常です。
房室ブロックは、電気信号のターミナルである房室結節において電気信号が伝わりにくくなること(伝導障害)が原因です。
洞(機能)不全症候群って、何?
洞不全症候群とは、電気信号の発生源である洞結節の異常によって、電気信号が正常に発生しなくなる病気です。洞結節の機能は、心臓の病気がなくても年齢とともに低下します。洞不全症候群では明らかな原因が見つからないことが多く、洞結節や心房の「老化現象」が高齢になる前に起こってしまうのが原因と推測されています。また一部の洞不全症候群は、薬剤が原因で起こります。
どんな症状が出るの?
重症の洞不全症候群では、極端に脈が遅くなったり(心拍数:40/分未満)、心臓の拍動(心拍)が数秒間止まったりします。同時に心房の異常も併発すると、徐脈(ゆっくり脈)だけではなく頻脈(心拍数:150/分以上の速い脈)が起こることもあります。5〜6秒間 心拍が停止すると、ふらつきやフーっと気が遠くなる感じがします。心拍停止がそれより長くなると、意識がなくなっていきなり倒れること(失神)もあります。
洞不全症候群では、一時的に心拍が止まることがあってもそのまま心拍が戻らず亡くなるようことはありません。しかし意識を失った時に、頭を打ってけがをするかも知れませんし、たまたま車道側に倒れたら交通事故にあうかも知れません。万一、車の運転中に失神すれば、他人の命を奪うことにもなりかねません。
このように失神やふらつきなどの自覚症状がある場合には、ペースメーカーの植え込み手術が必要です。
洞不全症候群(洞房ブロック)の心電図。
心房の電気信号であるP波が急に途絶えて心拍がみられなくなり、QRS波の間隔が延びています。
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